家庭教師<2>


家庭教師について、いろいろ想いがあるが、

今回はその1つを書いてみたい。


僕はこれまで、仕事も含めて、「人にものを教える」ということを経験したり、そういう現場をいろいろな形で見てきた

仕事で言えば、いわゆる「コンサルタント」と呼ばれる仕事。

自分自身でも、経営面、マネジメント面のお手伝いやご提案をさせて頂いたり、

企業研修のインストラクターのようなことをやらせて頂いたりしたこともある。

また、凄腕のコンサルタントの方の仕事の仕方を、傍で見させて頂いた時期もあった。


そしてスポーツ指導。いろんな優れた指導者の方々の指導を見させて頂いたり、

その方々の、指導に対する想いなどをお聞きしたりしてきた。

学校教育、学習塾などで教育に携わる方々に関しては、主に書籍やWEBで

著名な教育者の方々の、いろいろな教育理念に触れてきた。


いわゆる「一流」と呼ばれるコンサルタント、指導者、教育者に、

いろんな形で触れてきて、いくつか共通点があることに気がついた。

その1つが、「先を見ている」ということ。


逆に言うと、それなりの結果・成果を出している「コンサルタント、指導者、教育者」の人たちでさえ、

「その場・その時」しか見ていない人が少なくなかったりする。

自分が教えているとき、その瞬間とか、その期間とか、その場とか。

そこしか見えていない。

すごくよい指導をされているケースもある。そして、すごく感謝されていたりもする。

でも、そうしたコンサルタント・指導者・教育者が、いなくなった瞬間に、

元に戻ってしまう、というケース。

そして、「やっぱり○○先生がいないとダメですね」とか言われて、自分でも

「やっぱり俺がいないとダメだ」という人。

それはそれで、ある意味素晴らしいコンサルタント・指導者・教育者なんだろうと思う。

実際、結果を出し、感謝されるだけでも、凄いことである。

その下には、結果を出さず、感謝されることもない、という人も、たくさんたくさんいるからだ。


しかし、一流の「コンサルタント・指導者・教育者」とは、そういうものではない。

大事なのは、「クライアント・選手・生徒」が、本当の意味で「自立」すること。

「成長させる」ことももちろん大事だが、もっと大事なのは、「自ら成長できるように導く」こと。


コンサルタント・指導者・教育者」として考えたいのは、

○(企業)自分がいなくても、従業員の士気が高く仕事に取り組み、企業成績がちゃんと上がる。

○(スポーツ)自分がいなくても、真剣に練習に取り組める

○(学問)自分がいなくても、自主的に勉強できる

ということである。


実際、どのカテゴリーの人でも、一流と呼ばれる人たちは、必ず、

「自分の手が放れても、クライアント・選手・生徒が、自ら成長できるように導く」

ということを常に言っている。

例外なく、口を揃えて、こういうことを言っている。



現実として、指導する立場に立つと、

「やっぱり○○先生がいないとダメですね」とか言われると、

正直、気持ち良い。

自分が努力して、クライアント・選手・生徒に尽くしてきたことが感謝されるのは凄く嬉しい。

そしてちゃんと評価してもらえることも、すごく嬉しい。


でも、…それだけじゃダメなんだろうな、と思う。

本当の意味で、「クライアント・選手・生徒のことを想う」というのは、

一言で言うと…

「自立」

まさに、この一言に尽きるんだろうと思う。

「自立へと導くことができる」

…僕は、そんな指導者になりたい。そんな教育者になりたい。