“チームワーク”と“個”とのバランス <2>

前回の「“チームワーク”と“個”とのバランス」の続き。

「組織の発展」という意味でも、チームワークと個とのバランスは重要である。

チームワークがただただ安定していれば、組織(チーム)が発展するというわけではない。

むしろ、安定しすぎていると、発展を阻害することにつながる。

「リスク回避」「安定志向」「事なかれ主義」に陥りがちだからである。

金太郎飴のような集団は、いわゆる「見た目」はとてもまとまりのある、良い組織のように見える。

凸凹の組織は、なんかバラバラで、まとまりがないような気がしたりする。

しかし、むしろそうしたある意味「不安定」なくらいの組織のほうが、発展するケースが少なくない。

組織を構成する「個」が、それぞれ個性を発揮し、それぞれの視点で、それぞれの得意分野で行動する。

普段は各々が好き勝手なことをやっているように見えて、いざと言うときには同じ目的に向かって

同じベクトルで一致団結して、いかんなく力を発揮する。


武術の世界では、「不安定」をいかにコントロールできるか、が大事だという。

構えなどが「安定」し過ぎてしまうと、動けなくなってしまう。

スムーズな動き、素早い動きができなくなってしまう。

バレーボールで言えば、フェイントレシーブなどが良い例。

ほんの目の前のボールなのに、1歩出せば取れるようなボールなのに、足が動かず、落としてしまう。

武術の世界では、これを「居つく」という。

安定しすぎるということは、機動性を妨げるということにつながる。

組織でも同じことで、「いかに、適度な不安定な状況を維持し、それをコントロールしていくか」

といったことが、よりよい組織を目指すためには重要なのである。

もし、よりよい組織を目指すならば、そういう「困難」に、つねに向き合い、立ち向かっていかなければならない。