準備の大切さ 〜勝負どころで最高の準備を〜

子供たちには、バレーボールというスポーツを通じて、

「日々の準備の大切さ」「地道な積み重ねの大切さ」というものを学んで欲しいと思っている。

スポーツにおいても、勉強においても、人生においても、とにかく「準備」が大事である。

そういうことを、まずはバレーボールを通じて実感して欲しい。

人生においては、何度か、「本当に勝負をかけるべきとき」というものがある。

そういう大きな節目のときに、大勝負のときに、自分の全てを掛けて、自分の持てる力すべてを出し切る。

そこにこそ照準を合わせて、「最高の準備」をする。



例えばテスト勉強。

テスト当日にいくらアタフタして慌てても、どうにもならない。

もちろん直前まで諦めず、1つでも覚えようとすることはある意味大事。

でも、事前に大した準備もせず、悪あがきをしたところで、成果はたかが知れている。

試験前の準備というよりも、むしろ日々の地道な勉強。ちょっとずつの積み重ね。そっちのほうが大事。



僕自身、試験勉強と言うのを、正直あまりしないタイプだった。

いわゆる「一夜漬け」「当日直前の詰め込み」で試験に臨むほうだった。

でも、自分で言うのも何だが、成績は良いほうだった。

今振り返って思うのは、決して直前の悪あがきが良かったのではなく、日々の積み重ねだった。

ちなみに家でそれほど勉強していた記憶もない。

しかし、学校の授業だけは本当に集中して、かなりしっかり受けていた。

できれば家で勉強なんか、あまりしたくなかったから、とにかく学校でやり切ろう、という意識があった。


そういえば、サッカー元日本代表監督のオシム氏が、同じような考え方(指導法)を取っていた。

とにかく居残り練習とか、自主練習とかを一切認めないのだという。

そんな練習は必要ない、というくらい、正規の練習時に、必要なことは全部やる。

もし選手が個人的に必要を感じることがあるなら、俺(オシム氏)に声を掛けろ、と。

オシム氏が自ら立ち会って練習に付き合うのだという。

確かに、これは納得である。

居残り練習とか、自主練習とか、確かにそれはそれで素晴らしいことである。

短絡的に、それらを否定してはいけない。

しかし、ちょっと意識の持ち方を間違えると、逆効果になることもある。

どういうことかというと、

「あとで自主練をするから…」といって、正規の練習時に手を(気を)抜いたりしてしまうことだ。

逆に、自主練も禁止、居残り練習も禁止、となれば、

「ここでしか、今しか、練習できない。集中してやらねば!」という意識が働く、ということも十分考えられる。


勉強で言えば、「塾」などがまさに典型例である。

僕は塾に行ったことがない。そして

塾に行っている子ほど、あまり勉強ができなかったり、授業をちゃんと聞いていない、という印象があった。

そういう子たちは、「塾で勉強するから…」という意識が自然と働いてしまい、授業を軽視してしまう。

昨今は、学校教育の質の低下とか、塾のほうが本当に学力向上に寄与するような傾向があったりして

そうならざるを得ないようなところもあるのかも知れないが。。

いずれにしても、「本筋を外す」「本末転倒」というのは、やはり良いこととは思えない。


話をバレーボールに戻す。

決して、勝利にこだわらないわけではない。しかし、何でもかんでも、闇雲に、ただ勝てばいいとは思わない。

本当の勝負どころ、ここぞというときに、しっかり結果を出す。

そのために、日々の準備を怠らない。すべてはその「大勝負」のときのために。。

そういう節目が、バレー人生において、何度かあると思う。

言い換えれば、そんな何十回も何百回もあるものでもない。

そういう何度か訪れる大勝負のときに、本当の力・最高の力を出せるように、しっかり準備する。

⇒そういう意味では、

 突発的にスケジューリングされる試合・大会は、

 もはや「照準を合わせて勝利にとことんこだわって臨む大会」には、なり得ない。

 そこに「最高の準備」は発生し得ないからである。

 それらの試合・大会は、「練習試合」と同等である。

 練習試合と同等に、「成長確認作業」として、最大限活用したい。



プロスポーツの世界では、往々にして、コンスタントに安定した結果が求められる。

しかしそれでも、それとは別に、時折訪れる「大勝負、勝負どころ」というものが必ず存在する。


勉強においては、決して「受験」自体が勉強の最終目的だとは思わない。

でも「受験」は、大きな節目・勝負どころであることは間違いない。

中間テストも大事だが、大勝負である「受験」で力を出し切れなければ、やはり浮かばれない。


人生においても、何度かそういう節目、勝負どころというものがある。

そこでいかに力を発揮できるか。そのためにいかに日々準備しておけるか。

そういうことを、今、子供たちには、スポーツを通じて学んで欲しい。経験して欲しい。


◆cielバレー塾
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