以前、「勝ち負け」というテーマで書いたことがありました。

今回はこのテーマに関連して、また少し違った視点で書いてみたいと思います。


勝利への執着度みたいなものは、チーム方針などによって変わると思いますが、

基本的なところ、ベースとなるものは、それほど大きくは変わらないと思っています。

「勝ちたい」「勝ちたい」といっても、「勝つ」という行為が実際あるわけではなく、

実際にやるべきこと、選手としてチームとしてできること、というのは、具体的には

「練習でやったプレーを出し切ること」「相手よりいかにミスをしないか、正確なプレーができるか」

といったことに尽きるからです。

「勝つ」というのは、「結果・状況」を表す言葉です。

そしてもう1つ。「精神面の方向性」を示す言葉だと考えます。

「勝ちにいく」とか「勝つぞー」とかいうときの「勝つ」の意味です。

「じゃあ、具体的に何をどうするのか」となると、それはまた別物です。

そしてそれは、チーム方針がどうであろうと、そう大きくは変わらない、

ということだと思うんです。




勝利を目指して練習し、また「勝ち」にこだわることで試合でのモチベーションを上げることは

とても大切です。

しかし最終的には、試合の勝ち負けという「結果」は、「後からついてくるもの」と考えています。

1点1点の積み重ね、つまり1つ1つの丁寧なプレーの積み重ねが、

セット獲得につながり、チームの勝利につながる、ということだと考えます。


大会は練習試合などでは、いろいろ大切なことがありますが、

僕はたとえば、以下のようなことをテーマにしたりします。

(1)練習でやってきたことを1つでも、とにかく出す(出し切る)

(2)ボールが落ちるまでゼッタイあきらめない

相手がどこであろうと関係ない。相手が強いとか弱いとか関係ない。

自分たちのバレーボールをやること、

自分たちが今までやってきたことを全部出し尽くすこと、

が大事だと、個人的には思っています。


そして「結果(成果)」を見ます。

「結果」というのは、前述の「勝ち負け」もあります。しかしそれだけではありません。

「点数」もあります。「練習でやったプレーができた」というのもあります。

「親御さんその他の人に褒められた」というのも立派な「成果」だと思います。

1つ目の「練習でやってきたことを1つでも、とにかく出す(出し切る)」という行動をやっていれば、

まず間違いなく、こうした「結果(成果)」はついてくるものです。“必ず”といっていいと思います。


2つ目の「ボールが落ちるまでゼッタイあきらめない」について。

こういうときは、コート内はもちろん、ベンチも、観客の皆さんも

みんなとても嬉しい気持ちになります。なにか一体感みたいなものを感じますよね!

ラリーが続いて、つないで、つないで、相手も頑張ってつなぐ中で、最後粘り勝ちしたとき、

その喜びはどれほど大きいことか、みんな実感していると思います。

バレーボールの楽しみって、こういうところにもあるんだろうな、と思います。


ただ逆に、なんでもないボールを「ポトン」と落とすプレーがあったりするときがあります。

これはゼッタイだめです。

せっかく仲間が一生懸命つないだボールを、簡単に落としてしまう…

そんな、仲間を裏切るようなプレーは、やってはいけません。

ミスすることが「裏切り」なのではありません。

「取れるボールなのにサボる」「簡単にあきらめる」ということが「裏切り」なんです。


練習をしていて、また試合中でも、時にはつらいと感じることもあるのかも知れませんが、

楽しさというのは、だいたい、辛さの先にあります。

「がまん」とか「辛さ」を乗り越えたとき、「楽しさ」「喜び」「嬉しさ」というのは何倍も大きくなります。

人によっては、「辛いことを避けて、そこそこ楽しめればいい」という考え方もあると思います。

しかし僕は、子供たちにはできれば、つらいことを乗り越える、強い人間になってほしい、と思っています。

そしてその先にある、もっと大きな喜びを味わって欲しい、もっと大きな楽しみを感じて欲しい、

と思っています。


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…皆さんはどう思われますか?? ぜひご意見お寄せください♪

 皆さんが指導者として重視されていること、常日頃子供たちに言っていることなども教えて頂けるとうれしいです!




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